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佐世保市歯科保健事業

第三次実施計画
[平成18年度〜平成21年度]


1.妊 産 婦 期

 ○基本計画の「目標」は次のとおりです。

  1)おいしく楽しく食事をすることができる
  2)歯科疾患が原因で生活に支障をきたすことにならない

 ○基本計画の「目標」を達成させるための「条件と優先順位」は次のとおりです。

  1)妊娠に伴う歯肉炎を予防する
  2)う蝕を予防する

妊産婦期における歯科の特徴と課題

 妊娠すると、ホルモンのバランスが崩れ、お口の環境が変わりやすくなっています。また、つわりや体調の不備から毎日の歯みがきが徹底できない状態が続き、口腔内が不潔になりがちです。 「妊娠性歯肉炎」とは、以上のような環境を背景として、妊娠中にみられる特有な歯肉炎のことをいいます。歯科健診を通じて歯肉の状況を正しく確認してもらうとともに、歯科健康教育・相談を通じて、適切な歯科保健行動を身につけることが大切です。
 生まれてくる赤ちゃんの歯は、すでにお母さんのお腹の中にいるときから形づくられています。たとえばカルシウムを多く含む食品を積極的にとることで、赤ちゃんの歯の質を高め、丈夫な歯を育てることになります。妊娠中の食生活は、歯科的にも大きな意味を有しています。
 お母さんのお口の中の細菌層は、生後まもなくから、子どもへと受け継がれることが知られています。う蝕や歯周病などお口に問題を抱えたままでは、子どもさんのお口の健康にまで影響を与えかねません。早期に歯科疾患を発見し、歯科治療を受けることは、子供さんのお口の健康にもつながります。
 このように妊婦期からのお口の健康づくりは、生まれてくる子どものためにも大切であることがわかります。しかしながら、妊婦期に歯科検診を受診した者の割合は、第2次計画の実施期間をつうじて約30%と横ばいが続いています。また、「お産をするたびに歯がなくなる」といった間違った意見も広く聞かれており、妊産婦への歯科に関する健康教育の重要性も高まってきています。

第3次計画における重点目標

 第3次歯科保健実施計画においては、以下の2項目を重点目標としてかかげます。

1)妊婦歯科健診受診率の向上
2)歯科保健に関する正しい知識を有する者の割合の増加

重点目標を評価するための項目

 妊娠期における2つの目標は、いくつかの数値データを把握することによって、達成の度合いを評価します。評価に用いる数値データの現状値と目標値、および数値データの入手先については、以下に示すとおりです。

1)妊婦歯科健診受診率の向上

評 価 項 目

現状値
2005年
目標値
2010年
データ入手方法

歯科健診受診率

30%

50%

10ヶ月歯科育児相談時の問診
佐世保市成人歯科健診時の問診

2)歯科保健に関する正しい知識を有する者の割合の増加

評 価 項 目

現状値
2005年
目標値
2010年
データ入手方法

@妊娠中に生じた歯科の課題について解決方法を入手した者の割合

55.1%

75%

10ヶ月歯科育児相談時の問診

A歯周疾患が早産や低体重児と関連があることを知っている者の割合

29.3%

60%

10ヶ月歯科育児相談時の問診

※9.2%

60%

マタニティ学級時の問診
※母子健康手帳交付時の歯科指導

Bむし歯の原因菌が親から子に移る(感染する)ことを知っている者の割合

97.2%

100%

10ヶ月歯科育児相談時の問診

※52.3%

100%

マタニティ学級時の問診
※母子健康手帳交付時の歯科指導

第3次計画における実施計画

 評価に用いた数値データの目標値を達成させるために、以下の保健事業を重点的に実施していきます。

1)妊産婦歯科健診受診率の向上(○:新規、△:見直し充実)

 ○マタニティ学級での唾液リスクテストの導入する
 ○産婦人科にて歯科受診勧奨のためのキャンペーンの実施する
 △妊婦相談、マタニティ学級での妊婦歯科検診を勧奨する

2)適切な歯科保健行動を有する者の増加

 △妊婦相談、マタニティ学級での健康教育を強化する
 △妊婦相談の機会を拡大する(平成19年度以降〜)

 なお、継続事業については下記(妊産婦期)の表を参照にしてください。

第3次実施計画

基本計画の目標設定

施策の方向性

実施具体策

実施状況

H18

H19

H20

H21

妊産婦歯科健診の受診率の向上
2005年(50%)
2010年(80%)

・相談事業、健康教育の充実

●妊婦相談、母親学級での健康教育強化(ハッピーベビーシステムの内容を導入)

県事業H12〜14年度
市事業H15年度〜

●啓発パンフレット内容の見直し

H15年度〜 

●別冊母子健康手帳の歯科内容の見直し(歯質強化の栄養指導内容を盛り込む)
 

H17年度完了

○妊婦相談の拡大
 (東部保健福祉センター)
 

H19年度開始予定

 

・妊産婦歯科検診の受診率の向上

●10か月歯科育児相談に妊娠中の歯科健診受診率の把握(健診受診率の向上を図る)
 

受診率はH14から30%前後 

 

○妊婦歯科健診の勧奨
 (マタニティ学級への唾液リスクテスト導入)
 

H18年度開始 

・産科との連携

●産婦人科会にて歯科受診勧奨依頼(歯科医師会からもお願いする)

H15年度〜

基本計画作成時における指標の現状値と目標値

 妊婦歯科健診受診率

 

現      状      値

基本計画の目標値

2001年

2002年 2003年 2004年

2005年

2005年 2010年

1歳6ヶ月児

29.4%

31.1%

31.6%

31.0%

32.9%

50%

80%

 (1歳6ヶ月児健診時における母子健康手帳活用の聞き取り調査による)

 

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