５．要援護高齢者・障害者

　○基本計画の目標は以下のとおりです。

　　１）清潔な口腔を維持できる
　　２）咀嚼・嚥下機能の獲得と維持

　○条件と優先順位は以下のとおりです。

　　１）口腔衛生の向上
　　２）摂食嚥下機能の維持、回復、改善
　　３）う蝕予防
　　４）歯周病の予防
　　５）根面う蝕の予防
　　６）口腔ガンの予防

要援護高齢者・障害者における歯科の特徴と課題

　要援護高齢者、および障害者については、ご自身での口腔ケアが困難な場合が多いため、自宅でのセルフケアに加え、専門職によるプロフェッショナルケアの必要性があげられます。また、要援護高齢者、および障害者は、ご自身のお口に関する課題をうまく表明することができないことがあるため、歯科医療専門家による定期的な健診も重要です。さらに、要援護高齢者、および障害者に対する歯科治療は、全身管理が必要なケースもあるため、歯科疾患の予防が重要であり、歯科疾患に罹患した場合には安心して受けられる歯科治療体制の構築が必要です。
　施設に通所する障害者に対する歯科保健対策は、第２次実施計画において、実態調査、および通所施設への働きかけを行ってきました。第３次計画においても、通所施設と協力しながら、活動を続けてゆくことが大切です。また在宅の障害者については、口腔内の状態が把握されていないケースも多く存在するため、在宅の障害者に対する歯科保健対策が急務です。

第３次計画における重点目標

１）在宅障害者に対する歯科保健対策
２）地域支援事業（特定高齢者施策）および新予防給付における口腔ケアの周知

重点目標を評価するための項目

　要援護高齢者、および障害者に対する歯科保健における２つの目標は、いくつかの数値データを把握することによって、達成の度合いを評価します。評価に用いる数値データの現状値と目標値、および数値データの入手先については、以下に示すとおりです。

1）在宅障害者に対する歯科保健対策

評　価　項　目	現状値 2005年	目標値 2010年	データ入手方法
①かかりつけ歯科医師を有している者の割合の増加	―	―	障害者しらベ
②障害者受け入れ歯科医院数の増加	56件	70件	平成18年度障害者（児）のかかりつけ歯科医登録医

２）地域支援事業（特定高齢者施策）および新予防給付における口腔ケアの周知

評　価　項　目	現状値 2005年	目標値 2010年	データ入手方法
①特定高齢者施策（口腔ケア）への　参加者の増加	―	―	特定高齢者施策
②新予防給付事業（口腔ケア）への　参加者の増加	―	―	新予防給付事業

第３次計画における実施計画

１）在宅障害者に対する歯科保健対策

　　○在宅障害者の実態を把握するための基礎調査の実施
　　○基礎調査の結果に基づいて在宅障害者の歯科保健対策を検討する

２）地域支援事業（特定高齢者施策）および新予防給付における口腔ケアの周知

　　○口腔ケアに対する技術的支援と介護予防との関連についての健康教育の実施

　なお、継続事業については下記（要援護高齢者・障害者）の表を参照にしてください。

第３次実施計画

基本計画の目標設定	施策の方向性	実施具体策	実施状況	H18	H19	H20	H21
・施設および在宅の要援護高齢者、障害者の歯科保健の推進　（要介護障害者、高齢者受け入れ　二次歯科医療機関の整備）	・相談事業、健康教育の充実	○介護予防事業における口腔ケア	Ｈ18年度～	■	■	■	■
		●障害者施設職員を対象にした勉強会		■	■	■	◆
		●施設入所、通所者対象歯科保健指導（障害者・児）	Ｈ13年度～	■	■	■	■
		●介護教室への歯科保健の導入（委託事業）		■	■	■	■
		●訪問や窓口での歯科相談		■	■	■	■
	・障害者口腔ケア（摂食嚥下機能対策含む）の普及	○口腔ケア状況調査（施設）	Ｈ18年度～	■	■	■	■
		●口腔ケア普及パンフレット配布		■	◆	◆	◆
		○介護予防事業歯科医師との検討会、勉強会	Ｈ18年度～	■	■	■	■
	・在宅障害者への対応	○在宅障害者実態調査	Ｈ18年度～	■	■	■	■
	・二次歯科医療供給施設	●要援護高齢者、障害者（障害児）受け入れ歯科医療機関間の連携		■	■	■	■

基本計画作成時における指標の現状値と目標値

　口腔ケアの意識の向上：（介護者へのアプローチ）
　高次医療の受け入れ施設の整備：
　　佐世保地域保健医療計画、および長崎県における高次歯科医療機能対策についての意見書
　　（長崎県保健医療対策協議会歯科保健医療部会）に明記してあります。